歴史・由来

コーラルは古くはギリシャ、ローマ時代に使われていました。 地中海の赤珊瑚は日本では胡渡りと呼ばれ、シルクロードを経由 して奈良時代(710-784年)に持ち込まれました。中世には宗教 に関するオーナメント(装飾品)やロザリオ(じゅず)に使われ てきました。英国では19世紀初頭からコーラルが流行。原木はイ タリアのナポリから輸入され、英国の宝石商は、いちご、ブラッ クベリー、花をモチーフにした彫刻や贅沢なジュエリーを作りま した。コーラルのビーズの連は、少女の洗礼の時の贈り物として 人気が高まりました。スコットランドには「少女に美と繁栄をも たらす。」という言い伝えがあります。英国のエリザベス女王は 未だ生後9か月の時に母親のピンクコーラルの連を贈られました。 彼女の幼年時代の写真にコーラルの連をよく着けていたのが見ら れます。またエリザベス女王の娘アン王女の1951年の最初の誕生 日の写真から彼女がこのピンクコーラルの連を着けていたのがわ かります。これ見よがしではない伝統に裏付けされたピンクコー ラルの連は、世界一のダイヤモンドの杖や王冠を持つ英国王室に も宝石の装身具として、きちんと受け継がれているのです。

採取

宝石珊瑚の採取は底引き網から始まり、20世紀中頃から、潜水による方法に変わりました。現在では 深海でロボットが活躍し、資源をりながら採取されています。ワシントン条約で採取が規制されてい るのは六放珊瑚(ソフト・コーラル)という、珊瑚礁を造っている種類で、ジュエリーに使われる 八放珊瑚とは別種のもの。黒珊瑚は六放珊瑚に近いものでソフト・コーラルの一種です。 日本では1868年に珊瑚礁が解禁になり、20世紀にはいり、地中海のコーラル・ビジネスの中心地 テレ・デ・グレコ(イタリア南部)へ輸出が盛んになりました。 イタリアの珊瑚商人たちは、日本で採れる色の淡いコーラルの美しさに目をつけました。彼らは特に 日本では「ボケ」といわれていた淡めのピンクでムラのないエンジェル・スキンを「シャルボ=色褪 せた」「インシニフィカンテ=つまらない」などと呼び、値が上がらないようにしました。美しさへ の理解の深いイタリア人の、心憎いビジネスぶりを賞賛したいと思います。

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